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農業をやりたい人へ

昨今、耕作放棄地の増加や農業者の高齢化などの諸問題への解決策として、国をあげて就農者を増やそうという取り組みがなされています。例えば農業次世代投資資金(旧青年就農給付金)制度は、一定の条件を満たせば農業経営開始から5年間に渡り最大年間150万円が支給されるというものです。また各地方自治体独自の支援制度がたくさんあります。ここ大阪では新規就農するための育成システム「はじめの一歩村」という週末講座があったりします。

僕もいわゆる新規就農者です。大学を卒業して日比谷花壇という花屋さんに就職し、保険会社、不動産会社と転職した後、農業界へ飛び込みました。何故農業なのか?については過去のブログで紹介しているので割愛しますが、農家になるために選んだ手段は雇用就農でした。羽曳野市の藤井農園で従業員として働き始めたのです。そして約1年の修行を経て大阪府泉南郡熊取町で独立を果たしました。それから1年半が過ぎましたが、農業で利益をあげて生活を成り立たせることは想像よりもハードルが高いなあと感じています。まず農業機械、農業資材が異様に高いです。初期投資なんぼかかんねん!と吠えたくなります(笑)結局のところ農業次世代投資資金はそこに使うためにあるのね、と気づきました。儲かってるのは農業機械屋とJAかい!と突っ込みたくなります。また、昨年大阪を襲った台風のように自然災害によって甚大なダメージを受けます。いまだに潰れたビニールハウスがそのままの状態で放置されているのを見ます。解体して立て直すのに何百万とかかるので、今回のことで廃業する人もいるのではないでしょうか。僕もきゅうりが全滅しました(´;ω;`)ほんま自然には勝てないっす。

 

ネガティブな言葉ばかり並びましたが、実は昨日就農状況報告という大阪府、熊取町の担当者、僕と3者で昨年の農業経営についての会議がありまして、売上計画に対しての実績と課題、解決策等の話し合いがありました。まあ、数字的にあかんかったわけですわ( ;∀;)まだまだ職人として、経営者として進歩しなくてはなりません。確か今年のおみくじに書いてありました「千里の道を歩き出そう」と。「そんな険しい道まだ進みますか?」と問われれば、迷わず「YES!」と答えます。だって農業楽しいもん!うまいトマトができた時の喜び、お客さんに美味しいって言ってもらった時のうれしさ、完璧なまでのプロポーションに作れたきゅうりを見た時の驚き、サラサラと風に揺れるネギを見た時の癒し、カラスと二人っきりになった時の畑の神秘。こんな楽しいことやめれるわけないじゃーん(^^♪

 

最後に、これから農業をやりたいと考えている人へ言いたいこと。「農」を楽しみたいなら週末農家でいいんじゃね。嫁子供抱えて農家になるのは今のところキツイと思います。今後僕たち新規就農者たちが頑張って農業を稼げる職種にしていければ可能になると思いますが...。

 

「農業」をやりたいという人はぜひ飛び込んできて欲しいです。「業」はなりわい、利益をあげていくことです。人生かけてやり抜く気合のある人ならなんとかなりそうです。農業界は未だ古臭いしがらみにしばられた世界です。だからこそ「親元就農でない新規就農者」が必要です。農業が他の産業と肩を並べるためには、新しい風を吹き込むことが重要だと考えています。大都市大阪で農業なんてビジネスチャンスの宝庫だと思いませんか?社会にもまれた柔軟な頭を持った人達が、大阪ならではの新しい農業のカタチを提案していくことが農業の発展につながっていくのではないかと思います。耕作放棄地、高齢化、食料自給率の低下などの問題は深刻ですが、それは農業が儲からないからやん。簡単なことやん。儲かる農業に変えていけば優秀な人材が農業界に入ってきて、諸問題は解決されていくものだと思っています。まずは僕が儲かる農業を実践していきます。もし農業をやりたい人で聞きたいことありましたらいつでもお気軽にコンタクトしてください。